蜜柑の木。
約1キロ、長さ80センチ。
正面中段の構えで堂々と立ち、
「せいっ!」
威勢よく気合を放つムスメ。
相対する俺。
見えない刃を背中から抜刀して、中段で交差する様に構えてみせる。
「それ反則~。一本だけにして!」
「え。まじで。」
仕切りなおして、足を広げ重心を落とし左腰に手を当て、抜刀の構えに入り直してみる。
「それも反則~。早いからダメ~。」
「はぁ。じゃぁ。」
仕切りなおして、右腰につけたフリの物を右手で掴みスイッチを押して作動させてみる。
シューィーン。ヴォンヴォン、ヴォーン。
ライトセーバーだ。
実際には何も持ってない。
フリだ。
よくある子供の戦いゴッコ遊び。
「おりゃー!」
勢いよく、木刀で撃ってくる。
それを見えない光の刃で迎撃。
と言っても、直に当たると痛いから、実際には左手の掌で受ける。
そして、反撃。
「とりゃっ。ヴォーン!」
「なぁにぃ~。」
後ずさりながら、木刀で薙ぎ払うムスメ。
瞬で左足で間合いに入り、ヴォン、ヴォンヴォンヴォン、ヴォン。
右上段斬りから、三角形を作るように下段右跳ね上げ斬り左水平斬り上段右下げ斬りを経て、正面下段から上段に剣を弾く様に見えない刃で斬って掛かる。
ムスメは見えない刃を華麗に交わしながら、反撃のスキを伺っている。
実際にはクルクル回っているだけなんだけど。
間を取り、
「うぉぉぉぉー!!!」
ガチで上段突進斬りで向かってくる。
怪我をしてはならないし、せさてもいけない。
見えない柄で受け止め、鍔迫り合いに持ち込む。
「ぬぅおぉぉぉぉぉ!」
「ふんんんん!」
弾き返した。
と思ったら、ムスメの引き篭手が・・・
ガツン!
左手の掌で受けきれず、左手人差し指に直撃。
「つっ・・・」
「いったっー!」
痛みは時間差で来た。
「ちょっとタイム。」
「大丈夫?」
「いや、見てみて。ほら、血が爪の中に広がっていく・・・」
久しぶりに作った爪の中の血豆。
痛い気に見るムスメ。
「子供同士でこういうのやったら大怪我させるから、やるときはパパだけね。」
「はぁい。ごめんなさい。」
「いいよ。また後で見てみよう。紫色になるから。」
「ごめんなさい。」
怪我をした自分の負けだ。
教えてもいない引き篭手・・・
どこで覚えた・・・
こいつはなかなかやるかもしれない。
精神から鍛えれば本当に強くなるかもしれない。
剣道をさせてみようかな。
それにしても、あの引き篭手は早かったなぁ。
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