『お医者さんごっこ』
ただの遊びが、呪いに変わったらどう思う?
ムスメのお気に入りの人形『メルちゃん』。
パイロットインキから発売された、愛育ドールのビニール人形。
『メルちゃん』を筆頭に、妹の『ネネちゃん』や可愛らしい洋服、グッズアイテムが女の子では人気だとか。
ヨメ(ダンナ)も最近、ムスメが着れなくなった洋服で、メルちゃん用の洋服を縫っている。
リサイクルよりも素敵な再利用。
子供もかなりのご満悦。
なのに、なぜこうも怪我や風邪を引かせたがるのだろう。
慣れない手作業で、画用紙で一生懸作る。
たった1枚の画用紙から数々の医療グッズを。
血が滲むような絆創膏。
イガイガしそうなマスク。
冷えない冷えピタ。
それを、メルちゃんの体、口、おでこに、セロテープでガチガチに固められていく。
メルちゃんにとって子供とは。
悪魔。
恐怖で支配するのではない。
動かない体を理由に在られも無い状況へと、魔法をかけられる。
あぁぁぁ。
メルちゃんは満身創痍だ。
怪我や病気になったメルちゃんを約2週間放置。
ムスメは気にも留めていなかった。
その間、俺もヨメ(ダンナ)も風邪をひいた。
しかも長引く。
元気なのはムスメだけ。
病院へ行くも普通の風邪。
インフルエンザのワクチンはしっかり打っている。
悪化はしないものの、弱体化が続く。
見かねたヨメ(ダンナ)がメルちゃんを元気にさせてと懇願した。
まぁ、変な話、もしかしたらメルちゃんが俺らを呪っている。
「ぞんざいに扱う私を救って。」
メルちゃんから只ならぬ負のオーラを放つも、俺らが見過ごしている。
見えていないだけかもしれない。
有り得ないことは有り得る。
メルちゃんから只ならぬ負のオーラを放つも、俺らが見過ごしている。
見えていないだけかもしれない。
有り得ないことは有り得る。
有る可能性を排除しに取り掛かる。
「もうメルちゃんを怪我や病気にさせないでね。
元気なメルちゃんが一番かわいいから♪」
うまく言いくるめるヨメ(ダンナ)。
「え~、もうちょっとしたら元気になるから~♪」
まだお医者さんごっこを続けたそうに言いながらも、医療グッズを撤収してくれた。
2週間入院したメルちゃん。
退院おめでとう。
途端に風邪は二人とも治った。
完全にチャッキーだよ。
あれは絶対に呪いだよ。
我が家から悪魔はいなくなった。
夜、工作を始めるムスメ。
またもや、画用紙。
「今度は何作ってるの~?」
不安で聞いた。
「お薬だよ~♪」
あぁ、俺を気遣っての薬か。
4歳なのにちゃんと見てるんだな。
ありがたい。
見守ってると、本当に錠剤が描かれ、切られていく。
「できた~♪」
歓喜のジャンプを繰り返すムスメ。
「ママ~、見て~♪」
ダンナに差し出す。
「あ、お薬だね。よくできてるね♪」
ダンナの顔にも笑顔が。
褒められて嬉しそうに語りだすムスメ。
「うん♪
メルちゃんってー、夜になると病気になるん・・・」
刹那。
「そんなもん、捨てろー!!!!
病気にさせるなーー!!!
もう、呪うなー!!!!
もう、呪うなー!!!!
こっちが病気になるわ!!!」
ダンナの会心の一撃。
せっかく作った薬も廃墟処分へ。
いたしかたない。
命かかってますから。
稲川淳二さんも言うだろう。
恐いですねぇ。
怖いですねぇ。
人形は。
人は。
って。
人は。
って。
『人は自分の鏡』と言うけれど、我が家の鏡はメルちゃんだ。
魔王はいなくなったものの、最近、メルちゃんが見当たらない。
我が家から卒業し旅立ったのか。
音信不通の行方不明。
いた。
発見。
今日は、ひっそりと本棚へダイブしたまま、うつぶせ状態。
ムスメは、
「ここは雲の上~♪」
「雲設定やめてー!」
雲の上に昇天するには早すぎる。
魔王はいなくなったものの、最近、メルちゃんが見当たらない。
我が家から卒業し旅立ったのか。
音信不通の行方不明。
いた。
発見。
今日は、ひっそりと本棚へダイブしたまま、うつぶせ状態。
ムスメは、
「ここは雲の上~♪」
「雲設定やめてー!」
雲の上に昇天するには早すぎる。
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